口から入った多糖類はまず二糖類へと分解され、胃を通って、そのあとさらに単糖類へと分解されることにより腸の壁から吸収されますが、多糖類や二糖類といった大きな糖は壁の穴を通り抜けることができず、吸収されることはありません。
そういった、そのままでは吸収できない糖を栄養として体内へ吸収するために、人間の体内には様々な分解酵素が存在しており、腸内には、二糖類をブドウ糖などの単糖類へと分解するα-グルコシダーゼという酵素が存在しています。
しかし、この酵素が活性し強く働いてしまっているとき、食事をとった先から、急速に単糖類へと分解され、吸収されていきます。
結果、急激な血糖値の上昇に繋がるのです。
糖調唐辛子に含まれるルテオリンという成分がα-グルコシダーゼに結びつくことにより、糖の分解の働きが阻害されます。
結果、短時間の間に大量に分解されるはずだった二糖類がそのまま腸の中を流れ、長い時間と距離をかけて再びゆっくりと分解されて吸収されていくのです。
これが糖調唐辛子によって糖の吸収(血糖値の上昇)が緩やかになる仕組みです。
現代人は、昔に比べて「食事で摂取する糖が豊富」「食事に十分な時間をかけられない」など、何かと血糖値が上昇しがちです。
糖調唐辛子には「糖を吸収できるように分解する」酵素の働きを抑えることが報告されているルテオリンという成分が含まれています。
吸収がゆっくりになることにより、急激な上昇を防ぐだけでなく、血糖値が分散してピークも下げることが期待されます。
日本の九州大学、近畿大学の研究陣により科学的な根拠が得られています。
《出典》
JOURNAL OF NEW REMEDIES & CLINICS
新薬と臨床
2017 March 第66巻 No.3